研究活動

研究組織一覧

研究センター

アトピー疾患研究センター
学術フロンティア推進事業/戦略的研究基盤形成支援事業

順天堂大学医学部では、本センターを基地として、アトピー疾患を克服するために、基礎研究、臨床研究の両者を両輪として研究が推進されています。アトピー疾患が極めて複雑な免疫システムの応答の結果として発症することから、免疫異常の分子基盤を遺伝子、分子、細胞レベルだけでなく、個体レベルで解析し、総合的に免疫系、細胞内シグナル伝達系、転写の制御、細胞間接着のメカニズムとその異常を理解しようとする基礎研究が行われています。

老人性疾患病態・治療研究センター
ハイテク・リサーチ・センター整備事業/戦略的研究基盤形成支援事業

老人性疾患病態・治療研究センターは、平成11年度から文部科学省の「ハイテクリサーチセンタープロジェクト」の助成を受け建設されました。(1)パーキンソン病及び関連疾患の発症と防御研究プロジェクト、(2)痴呆性疾患の発症と防御研究プロジェクト、(3)高次脳機能の神経機構と機能修復研究プロジェクトを3つの柱とし、これらはハイテクリサーチセンターのコアとなる研究目標です。 また、共同研究、学際的研究も目的の一つとして、推進しています。

疾患モデル研究センター
学術フロンティア推進事業

疾患モデル研究センターにおいては、医学研究および医学教育のための動物実験がおこなわれています。本学医学部および大学院医学研究科は、高度の医療を通して、国民の健康に貢献しており、その活動は、本学においておこなわれている基礎研究および臨床研究の成果にもとづいています。本学においておこなわれる 動物実験は、本学の研究活動を支えるために必要なものと考えられます。

研究基盤センター

医学系の多くは講座制の研究体制を採用しているのに対し、順天堂は昭和40年代にいち早く講座制の研究体制を横断的な中央共同研究体制に再編しました。これは研究のレベルアップを目的とした試みであり、研究に必要な施設や機器・設備類を講座単位ではなく独自の中央機構で導入し大学全体で保有、管理しようというものです。各施設には専任スタッフも常駐し、研究の効率化や精度を高めていくための支援を行っています。近年の医学研究は、分子生物学の進歩に伴い理学、薬学、工学など、分野を超えた成果や技術をどんどん取り入れていくことが必要になってきました。それを先駆性をもって、効率的・効果的に推進し、バックアップしていくのが中央機構なのです。

教育研究設備・機器の共同方針について

環境医学研究所
ハイテク・リサーチ・センター整備事業/戦略的研究基盤形成支援事業

環境医学研究所は、(1)環境要因(環境汚染物質)と生体反応、(2)疾患遺伝子の変異と環境因子、(3)性差医学と環境因子、の3大プロジェクトについて相互に連携させながら研究を推進することで、環境因子がどのような影響を人体に及ぼしているかについて基礎医学と臨床医学が一体となって解明することを目的として設置されました。疫学的なアプローチからナノ解析、プロテオミクス解析にいたる多面的なアプローチを駆使することにより、環境因子の生体への影響を明らかにし、環境因子のもたらす疾患に対する新たな治療法の開発へと道筋を開くトランスレーショナルリサーチとなることを目指しています。

スポートロジーセンター
ハイテク・リサーチ・センター整備事業/戦略的研究基盤形成支援事業

スポートロジーセンターでは、従来の「体育学」の成果を原資とし、トランスレーショナルリサーチによる運動の理論的実践と大規模介入によるエビデンスの蓄積、さらに専門スタッフの育成を目的とした「スポーツ学(スポートロジー)」を、生活習慣病の予防や治療、要介護回避のための転倒・骨折や寝たきり予防、痴呆症の予防や治療に応用するための包括的プロジェクトを推進しています。さらに、得られたエビデンスを社会に広く還元し、地方自治体、企業健保組合における疾病データベース構築による運営の効率化やスポートロジー専門スタッフの派遣をも行い、スポートロジーセンターとして予防医学の拠点化を目指しています。

ゲノム・再生医療センター
戦略的研究基盤形成支援事業

ゲノム・再生医療センターは、発生学の知識とiPS細胞技術などの細胞リプログラミング技術を駆使し、生活習慣病や神経疾患の新しい治療方法を開発することを目標としています。センターをコアとして、学内の基礎・臨床の研究室の横断的協力のもと、将来の再生医療に役立つ細胞の樹立方法や、疾患モデルの研究、体細胞・iPS細胞バンクや遺伝子情報データベースの構築等を推進しています。研究者が細胞リソースとデータベースを活用し、疾患iPS細胞でこれまで難しかった孤発性疾患などを研究対象に疾患研究を大きく発展させることが期待されます。バンクする細胞種はiPS細胞に限定せず、体細胞(血液細胞・線維芽細胞)や不死化細胞株などを同時に蓄積することにより、血管内皮前駆細胞などの組織幹細胞を用いた疾患研究や再生医療の臨床研究にも活用しうる次世代型の研究基盤の構築を目指しています。

難病の診断と治療研究センター

難病の診断と治療研究センターでは、ゲノム医療、再生医療を通じて医療・医学の進歩に貢献すべく難治性疾患の病因・病態解明と治療法の開発を推進しています。ゲノム医療部門は、学内外の各領域における研究者と連携し、ゲノム医療に焦点を置く専門性の高い分野特化型、基礎・臨床分野横断型の共同研究開発体制を構築します。再生医療部門では、様々な臓器由来の体性幹細胞や人工多能性幹細胞(iPS)の樹立を視野に入れ、多くの難治性疾患に対する有効な薬剤の創出や患者固有の細胞治療法を開発することにより、先端的な医療臨床研究の拠点形成を目指しています。

静岡災害医学研究センター
戦略的研究基盤形成支援事業

静岡災害医学研究センターでは、東海地震発生が予測されている伊豆半島において、災害時の指揮命令・統制(Command&Control)、安全(Safety)、意思疎通・情報収集・伝達(Communication)、評価方法(Assessment)、トリアージ(Triage)、治療(Treatment)、搬送(Transport)、いわゆるCSCATTTの確立に関する臨床目線からのマクロ研究と、平時における災害準備として、行政・地域住民・関係機関と一体となり行う災害教育・訓練を主たる研究分野として、大規模災害に対応する包括的医療提供体制構築を目指しています。

スポーツ健康医科学研究所
ハイテク・リサーチ・センター整備事業/戦略的研究基盤形成支援事業

平成17年度、文部科学省の「ハイテク・リサーチ・センター整備事業」の支援を受ける研究組織として、さくらキャンパスのスポーツ健康医科学研究所が選定され、5年間にわたる研究高度化のためのプロジェクト「運動に対する心と体の適応:オーダーメイド型運動プログラム作成のための客観マーカー開発」がスタートしました。このプロジェクトには、スポーツ健康科学研究科だけではなく、医学研究科や医療看護学部・医療看護学研究科の研究者も参画し、「オール順天堂」で取り組んでいます。個々に応じた運動処方の実現は国民の誰もが期待しているものであり、研究の成果に大きな期待が寄せられています。

女性スポーツ研究センター
戦略的研究基盤形成支援事業

医学研究科とスポーツ健康科学研究科のコラボレーションによる体制で、女性アスリートのコンディション管理に関する研究を進めています。また、女性アスリートを支える指導者の資質向上・増員という重要課題にも取組み、女性アスリートの指導者のコーチング法を提案していきます。 順天堂大学医学部附属順天堂医院、浦安病院では「女性アスリート外来」が開設され、研究成果がスポーツ現場に還元される環境も整備されています。 今後、発展が期待される女性アスリートの支援および女性スポーツの環境整備のために、国内外の関係機関とのネットワークを活用し、女性スポーツ研究の拠点化を目指します。

ジェロントロジー研究センター

超高齢化社会を迎えた我が国において、健康寿命延伸が社会の命題となり、本学においても、寄付講座座や共同研究講座の開設、競争的資金によるプロジェクト(COIプロジェクト等)が、部門横断的に取り組まれ、積極的に推進されています。
これらの実績を背景に、本学への健康寿命延伸に関する取り組みは産業界、自治体からの期待度が高く、とくに健康寿命の延長、高齢者の社会参加、家族形態と機能の変容、包括的な地域ケア・システムの設定など、高齢社会の新たな価値と学問領域の発展等が、教育・研究・産学連携の諸活動を通じて期待されています。ジェロントロジー研究センターは、これらの取り組みの社会実装化を図り、超高齢社会における諸課題の検証に取り組んでいます。

感染制御科学研究センター ※2019年度(2020.3.31)終了
21世紀COEプログラム/戦略的研究基盤形成支援事業

21世紀になり、治療薬に耐性となった病原細菌、ウイルス、寄生虫などによる難治性の感染症が、人々の大きな脅威となっています。感染制御科学研究センターは、このような難治性感染症を予防し治療するための有効な技術を開発して社会に貢献することを目標としています。そのために、「なぜ抗生物質は効かなくなるのか?」という疑問を、遺伝学、ゲノム生物学、トランスクリプトームを駆使して追求してきました。世界で最初のバンコマイシン中間耐性黄色ブドウ球菌(VISA)の発見、世界で最初の黄色ブドウ球菌全ゲノムの解読、MRSAのメチシリン耐性遺伝子(mecA)を運ぶ動くDNA“Staphylococcal Cassette Chromosome mec(SCCmec)” の発見、2億5千万年前に誕生したブドウ球菌菌種(Staphylococcus fleurettii)の染色体上にmecA 遺伝子の起源を発見、新しいバンコマイシン耐性のメカニズム“slow VISA” の発見など、その研究成果は、多くの学術論文を通じて世界をリードしてきました。現在、その成果は、PCRを用いたMRSA感染の迅速診断法など、耐性菌による院内感染の予防と制御法の開発に応用されています。また新しいクラスの抗微生物薬の創薬・開発にも生かされています。平成22年以降、キノロン薬耐性のMRSAを、治療によりキノロン感受性にする復帰抗生物質(Reverse Antibiotic)を発見、新規治療用モノクローナル抗体の作成、独創的なMRSA院内感染予防法の開発など、重要な成果を上げており、さらに、より新しい治療法、予防法を開発中です。研究は希望に満ちたものであり、サイエンスと臨床を一身に修めた若手研究者の養成も、本センターの重要な使命です。

脳血管内治療学研究センター

脳神経血管内治療は、足や手の血管の中を通じて脳や脊髄の血管障害を治す治療法です。カテーテルと呼ばれる細い管を、ガイドワイヤーと呼ばれる細くて軟らかい針金を頼りに頚部や脳の中の血管まで進め、患部を治療します。体に優しい低侵襲医療として国内外で広く認知されており、この治療を受ける患者さんの数も年々増加しています。しかし、治療を安全かつ効果的に患者さんへ提供し続けるには、医療機器、薬剤の創製と、治療を行う医師の技量を高める効率的な教育訓練法の研究開発が不可欠です。当センターは、これら新しい脳血管内治療機器と医師の教育訓練法の研究開発を主な目的として活動を行っています。また、医工連携プロジェクトとして、東洋大学大学院 理工学研究科との共同研究も行っています。

支援センター

研究戦略推進センター

順天堂大学は学長主導のもと、大学の研究者らが学術・研究活動を円滑に推進できるように、企画、調査、特許化、財務の業務を主体として活動し、良好な研究環境づくりに貢献します。
本学の研究力の向上と研究成果の社会還元に向けて、グローバルな視点で最先端の情報を取り入れつつ、高い水準の順天堂大学リサーチ・アドミニストレーション(JURA)体制で業務に臨みます。

臨床研究・治験センター

順天堂大学は、日本最古の西洋医学塾をルーツとして、新しい予防・診断・治療法や医薬品・医療機器・運動機器等を社会に還元するための「健康研究(Health Research)」を推進し、研究開発拠点として、人材育成、絶え間ないシーズの発掘および成果の速やかな社会還元を図ることを使命としています。順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床研究・治験センターは、 日本発の革新的医薬品・医療機器等の開発などに必要となる質の高い臨床研究や治験を推進するため、国際水準の臨床研究及び医師主導治験の中心的な役割を担う病院における研究支援部門として設置されました。

革新的医療技術開発研究センター

革新的医療技術開発研究センターは、順天堂大学における学部横断的な研究開発の推進を所管し、革新的医療技術を実用化まで導く研究活動の一層の発展を図ることを目的として設置されました。当センターは、臨床研究・治験センターを管掌しており、研究開発支援を専門とする医師等を配置し、国内外の医療機関及び企業から相談を受けたシーズに対して、順天堂の有する強力な臨床力を活用した研究開発マネジメントを実施するだけでなく、研究開発支援に資する研究や教育も積極的に行っています。