MENU
ニュースリリースNews release

日本人におけるミトコンドリア肝症の臨床像・遺伝学的特徴を初めて解明

2020.07.28  ()
プレスリリースプレスリリースプレスリリースブランディング医学研究科
千葉県こども病院遺伝診療センター・代謝科の研究グループは、ミトコンドリア病の中で肝症状が主体であるミトコンドリア肝症に関する研究を進めてきました。この度、国立成育医療研究センター、順天堂大学、埼玉医科大学、津山中央病院、済生会横浜市東部病院等と共同で、日本人の重症型ミトコンドリア肝症23例の後方視的検討を行い、その臨床像や分子遺伝学的特徴を明らかにしました。また、本疾患に対する肝臓移植手術の予後についても検証を行い、その研究成果が論文誌『Orphanet Journal of Rare Diseases』に掲載されましたのでご報告いたします。

概要

ミトコンドリア病は約5000人に1人の頻度で発症する最も頻度の高い、エネルギー産生障害を引き起こす先天代謝異常症です。神経・筋症状を呈するミトコンドリア病はよく知られていますが、黄疸など肝症状を主体とするミトコンドリア肝症についてこれまでほとんど知られていませんでした。
我々は、全国から寄せられる症例やレジストリ登録のデータから、過去13年にわたる重症型ミトコンドリア肝症と診断された日本人23例の臨床像、遺伝学的特徴、予後について解析を行いました。原因遺伝子は18例(78%)において同定されました。初発症状は約半数の症例が乳児期早期から成長障害を呈しており、乳児期の黄疸・胆汁うっ滞を21例(91%)で認めました。肝移植は12例に対して行われており、5例が生存していました。
今回の研究において重症型ミトコンドリア肝症の臨床像、分子遺伝学的特徴、また肝臓移植手術の長期予後を明らかにしたことで、本症の早期診断、治療法の選択や肝移植の適応の検討に大いに役立つことが期待されます。
※当該研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「難治性疾患実用化研究事業」の研究費を用いて行われました。

SDGs300